秋田市や横手市、能代市、大館市などで、まちの中心地と呼ばれている地区を再生する必要性が高まってきている。市街地再開発の手法で現在進行中なのが、横手駅東口第1地区と秋田市中通一丁目地区である。

人口が減少し、高齢化が進んでいく社会において、住みやすく活力あるまちを保つためには、まちの中心部への集積度を高め、自家用車に依存しなくても歩き回ることができる、生活者主体のまちづくりが必要である。

公共交通機関のあり方や果たす役割、商業を中心とする「まちなか」に必要な機能、「まちなか」居住の必要性、賑わいの創出や活力創出のための手法づくり、「まちなか」への人の流れの誘導施策等々、再生のために検討が必要なテーマは明確だ。

元気な「まちなか」をつくるためには、生活者の視点が最も重要である。「まちなか」に暮らす人がいて、「まちなか」の魅力を求めて集まる人がいて、そこに交流が生まれ、賑わいが発生し、商いが生まれ、活力が生まれてくるからである。

かつて郊外へ華々しく展開した大規模商業施設は、大企業の論理ばかりが優先し、生活者の視点がなかったことにより、結果として「まち」を分散させ拡散させ空洞化させてしまった。
「まちなか」の、魚屋や肉屋や八百屋が淘汰され、地元地域に密着した商店が軒並み閉店し、商店街はシャッター街に変わってしまった。そんな中心地域を見るにつけ、1990年代の大規模小売店舗法の緩和は間違いだったのではないかと思う。

かつての賑やかな「まちなか」を取り戻さなければ、住みよいふるさとは帰ってこないし、子供たち世代に「住むのは嫌だ」「秋田には帰りたくない」と見放されてしまうのではないかという危機感を覚える。

この秋から来春にかけて完成する横手駅東口再開発には、魅力的な「まちなか」をつくるためのプランがたくさん施されている。生活者の居住スペースの配置、高齢者支援施設の設置、子育て支援施設・健康づくり施設・情報交流施設・市民団体などのコミュニティー施設で構成される多目的公共施設の設置、地域の足であるバスターミナルとの一体化、魅力的な専門店街とスーパーマーケットの商業施設棟、美しい広場と幅広のアーケードに囲まれた個性的な催事空間、そして横手市全域に情報発信できるコミュニティーFM放送局などである。

コミュニティーFMの放送はローカルな話題が中心であることから、地元密着の情報を市民が共有するという点において文化を育てアイデンティティーを確立することに大いに貢献することだろう。このFMは市民が参加し「おらほの放送局」として手作りで育てる必要があるため、市民の参加意識高揚への貢献も大いに期待される。

「まちなか」再生成功のキーワードは、ほかにはない、ここだけにしかないという「個性の創出」、関係者だけでなくさまざまな組織や団体がかかわるという「多様な主体の参入」、そして「住民の参加による賑わいの創出」である。

「まちなか」再生により、交流や出会いやかかわりが生まれ、賑わいが生まれ、商いが起こり、地域社会再生が成される。「どれほど熱心に住民が参加したか」がこの大事なプロセスの結果を左右するのだから、他人事でなくもっと積極的にかかわってふるさと秋田を元気にしよう。