美入野ノート

【第2回】母校校庭に秘められた「哲学の庭」

昭和35年、恩師、鈴木武一先生が急逝した。自分は二年生であったが、担任から西誓寺の葬儀で弔辞を詠むようにと言われた。先輩の三年生が修学旅行でいなかったからだ。
寺の畳での葬儀が始まってしばらく正座をしていたが、順番が来た、いざという時に、足がしびれてよろめいた!どんな内容のお別れを言ったのか、まったく記憶なしである。私に担任を通して弔辞を言いつけた教師は、藤原久八先生であったと記憶している。先生はあだ名が「キュウパ」でありましたし、他の恩師もほとんど生徒間での会話はあだ名で呼んでいたので本名が記憶されていないのが実態であった。
さて、藤原久八先生は退職後書籍「心の軌跡」を発刊した。母校の図書室にあると思うので是非読んで欲しい。特に校長先生には必読の値があります。

武一先生のお話しに戻りますが、ある日、長髪問題で武道館で開かれた生徒と先生とのやり取りで、黒い詰襟を決めていた武一先生に、「自分にも若い頃があって、これでも紅顔の美少年であった・・・」長髪問題は激論の末、うやむやになったと記憶している。結局、修学旅行には、全員坊主頭で行ってきた。

さて、本題は「哲学!」である。
ふとしたことから、先生から声を掛けられて、西田幾多郎の哲学を聞かされたが、これも内容は定かではなかった!しかし、旧母校図書室の横の庭には、数個の石が置かれてあり、これが「哲学の庭」だと教えられた。京都には哲学の道があるが、同じ理屈なのかもしない!石川県かほく市内日角井1、西田幾多郎記念哲学館がありますから、近々に訪問したいところです。

母校の図書室には、西田先生の哲学書実10巻が保存されております。しかし残念ながら、その1巻が失われておりました。

後輩達よ、受験勉強と共に、人生とはなんぞや?哲学書にも関心を持ってもらいたいが、どうでしょうか?

 

令和5年4月

顧問 多賀糸 敏雄